毒物劇物取扱責任者(毒物劇物取扱者試験)って転職に役立つ?

毒物劇物取扱責任者(毒物劇物取扱者試験)って転職に役立つ?




毒物劇物取扱責任者(毒物劇物取扱者試験)の概要、またこの資格が転職に役立つのか、資格の活かし方や、収入と将来性、などを解説していきます。

結論から言うと、「毒物劇物取扱責任者資格」は就職・転職サイト、ハローワークなどを探してもほとんど見つかりません。

しかも募集しているのがほとんど地方で、都会ではめったに見つかりません。

本記事でわかる事。
  • 毒物劇物取扱責任者資格は転職に役立つ?
  • 毒物劇物取扱責任者とは?
  • 毒物劇物取扱責任者資格の活かし方
  • 毒物劇物取扱責任者の収入と将来性
  • 毒物劇物取扱責任者試験概要




毒物劇物取扱責任者資格は転職に役立つ?


毒物劇物取扱者試験に合格しても、就職や転職に役立つとまでは言えません。

履歴書に書いてもそれほど有利にはならないかもです。

実は、毒物劇物取扱者試験の合格者の求人は、就職・転職サイト、ハローワークなどを探してもほとんど見つかりません。

しかも募集しているのがほとんど地方で、都会ではめったに見つかりません。

毒物劇物の製造・輸入・販売を行う会社や事業所では、毒物劇物取扱責任者は必要です。

農薬の販売店などでも需要がありますが「責任者」として店舗に1名いれば足ります。

難易度もそれほど高い試験でもないので、いざとなれば社員に取得させればすみます。

社内に要件を満たす社員がいれば選任できます。

化学系学科の卒業生が毒物劇物取扱責任者になる資格を有していることは、企業側は充分理解しているので、新卒者でも特に就活する上でのメリットはありません。

資格だけ持っていても、現場ではやはり実務経験が必要です。

応用化学に関する学課のある大学か高校を卒業しているだけで毒物劇物取扱責任者になるための要件を満たしているので、意外と有資格者が多いのが現実です。


毒物劇物取扱責任者とは?


毒物や劇物の取扱いには細心の注意が必要です。

盗難などにより犯罪に悪用されるケースも警戒しなければならないことから、その取扱等についても「毒物及び劇物取締法」で規定しています。

日常的に、毒物劇物を原材料として使用したり、運送したり、自分で使用する会社や事業所は、その旨を保健所に届け出をしなければなりません。

このような事業者は、営業所ごとに専任の毒物劇物取扱責任者を1人選んで、その者を届け出ることを義務づけられています。

毒物劇物取扱責任者は安全面の管理や保健衛生上の危害の防止をしなければいけません。
※専任:常時その施設に勤務している社員、他社との掛け持ちはダメということ

毒物劇物取扱責任者は、事業所で取り扱っている毒物劇物の種類・量・取扱方法を把握し、保管管理・取り扱いについて法律に基づき適正に行わなければなりません。

この毒物劇物取扱責任者には誰でもなれるワケではありません。

毒物劇物取扱責任者に選ばれるための条件の1つが「毒物劇物取扱者試験に合格した者」です。

つまり、毒物劇物取扱者試験に合格すれば、無条件で毒物劇物取扱責任者になれるのではなく、事業者によって選任されてはじめて毒物劇物取扱責任者と名乗れます。

毒物劇物取扱者試験に合格しただけでは、単に「毒物劇物取扱責任者の有資格者」あるいは「毒物劇物取扱者試験の合格者」にすぎません。

試験合格を目指す人はその点注意が必要です。

毒物・劇物とは?

毒物劇物とは何か?について簡単に説明します。

「毒物及び劇物取締法」という法律では、人や動物が飲んだり、吸い込んだり、あるいは皮膚や粘膜に付着した際に生理的機能に害を与える化学物質等について「毒物及び劇物」として保健衛生上の観点から取扱いを規制しています。

そして、毒物及び劇物を、毒性の強い順に「特定毒物」「毒物」「劇物」に分類しています。

各資格区分の毒物劇物取扱責任者が扱える業種

販売業製造業輸入業業務上取扱者
一般農業用品目特定品目
一般
農業用品目
特定品目

例えば毒物は、毒物及び劇物取締法別表第一で掲げられる物質で、シアン化ナトリウム・黄リン・水銀・ヒ素などがあげられます。

劇物は、同法別表第二で掲げられる物質で、メタノール、二硫化炭素、発煙硫酸などです。

聞いただけで少し怖いイメージのある毒物や劇物ですが、実は私達の身近に普通に存在します。

よく利用される代表例はなんと言っても農薬です。

殺虫剤や肥料などの農薬には毒物や劇物が含まれています

農薬を利用するのは一般的で、利用しないとまともに収穫ができません。

農薬以外では、塗料にも多くの毒物や劇物が含まれています


毒物劇物取扱責任者資格の活かし方


毒物劇物取扱責任者の有資格者が活躍できる場所は、化学薬品の製造業、製薬業、塗料の工場などです。

電気鍍金(メッキ)工場、金属熱処理工場、農薬や肥料等を扱う専門店など、毒物劇物を扱う会社や工場は意外と多く、資格を活かせます。

薬品類を輸入する会社でも毒物劇物取扱責任者は必要とされています。

毒物劇物取扱者試験の学習をとおして「法規面」の知識が身に付きます。

学校卒業の有資格者は「法規面」の勉強が知識が少ない場合があるので、その点は学習するメリットがあります。

また、化学系の工場などで働く場合は、毒物劇物の性質などを理解しておくといざという時に対処できます。

毒物劇物取扱者試験に合格すれば「有資格者」として履歴書にも書けます。

試験に合格すればそれなりに活かせる資格です。


毒物劇物取扱責任者の収入と将来性


毒物劇物取扱責任者の仕事には様々な種類があるため、それぞれの収入について言及することは難しいですが、この資格取得者は薬剤師に多いことから、薬剤師の平均年収と同じくらいで高めと考えてよいかもです。

ただし、塗料や薬品関係の工場、医療機器などの製造や組み立てをする工場で働く場合の平均年収は、やや低めが相場のようです。

また、資格手当を支給する会社もあります。

将来性としては、毒物や劇物はさまざまな分野で必須のものであるため、今後も毒物劇物取扱責任者の需要がなくなることはまずないです。

また、この資格を取得しておくことで仕事の幅が広がるので、就職先の選択肢が増えるメリットがあります。


毒物劇物取扱責任者試験概要

試験は各都道府県ごとで年に1、2回実施され、どの都道府県で合格しても全国で有効となります。

ホームページ・受験申込・問合せ

各都道府県庁の薬務課主管課

受験資格

制限無し。
※ただし、次に掲げる者は、合格しても、以下欠格事項が消滅するまでは毒物劇物取扱責任者となることはできません。

  • 年齢が18歳に満たない者。
  • 心身の障害により毒物劇物取扱者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
  • 精神病者または麻薬、大麻、あへん、もしくは覚醒剤の中毒者。
  • 毒物もしくは劇物又は薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受ける事が無くなった日から起算して3年を経過していない者。

受験料

10,500円~11,610円程度
都道府県により異なります。実施先までお問い合わせ下さい。

願書申込み受付期間

都道府県により異なります。実施先までお問い合わせ下さい。

試験日程

都道府県により異なります。実施先までお問い合わせ下さい。

受験地

各都道府県

身体上の障害等に係る特別措置について

障害の状況に応じて必要な対応を行うため、受験願書提出前に実施先までご相談ください。

試験内容

※試験区分

  • 一般
  • 農業用品目
  • 特定品目
  • 内燃機関用メタノールのみの取扱に係る特定品目

筆記試験

  • ① 毒物及び劇物に関する法規
  • ② 基礎化学
  • ③ 毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法

実地試験

  • ① 取扱い方法
  • ② 毒物・劇物の識別

(実地試験は、実技とペーパー試験の2種類が有り、都道府県により違います。)

免除(科目等)について

以下の物は、自動で有資格者となります。

  • 薬剤師
  • 以下の厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者

大学等

  • 薬学部
  • 理学部、理工学部又は教育学部の化学科、理学科、生物化学科等
  • 農学部、水産学部又は畜産学部の農業化学科、農芸化学科、農産化学科、園芸化学科、水産化学科、生物化学工学科、畜産化学科、食品化学科等
  • 工学部の応用化学科、工業化学科、化学工学科、合成化学科、合成化学工学科、応用電気化学科、化学有機工学科、燃料化学科、高分子化学科、染色化学工学科等
  • 化学に関する授業科目※1の単位数が必修科目の単位中28単位以上又は50%以上である学科

高等専門学校

  • 学校教育法に規定する高等専門学校工業化学科又はこれに代わる応用化学に関する学課を修了した者。

専門課程を置く専修学校(専門学校)

  • 学校教育法に規定する専修学校及び専門学校において応用化学に関する学科を修了した者で、30単位以上の化学に関する科目を修得した者。

高等学校

  • 学校教育法に規定する高等学校において応用化学に関する学課を30単位以上修得した者。

※1:工業化学、無機化学、有機化学、化学工学、化学装置、化学工場、化学工業、化学反応、分析化学、物理化学、電気化学、色染化学、放射化学、医化学、生化学、バイオ化学、微生物化学、農業化学、食品化学、食品応用化学、水産化学、化学工業安全、化学システム技術、環境化学、生活環境化学、生活化学、生活化学基礎、素材化学、材料化学、高分子化学、地球環境化学等

合格基準

都道府県により違いますが、下記条件を満たすことで合格となります。

一般

筆記試験:100点満点中、50点以上
実地試験:100点満点中、50点以上
合計:200点満点中、120点以上

農業用品目

筆記試験:90点満点中、45点以上
実地試験:60点満点中、30点以上
合計:150点満点中、90点以上

特定品目

筆記試験:90点満点中、45点以上
実地試験:60点満点中、30点以上
合計:150点満点中、90点以上