運行管理者資格は転職に役立つ?運行管理者試験は難しい?

運行管理者資格は転職に役立つ?運行管理者試験は難しい?

運行管理者の資格が転職に役立つのか、またこの資格の活かし方や、収入と将来性、合格率、おすすめテキスト、参考書や問題集などを解説していきます。

結論として、「運行管理者の資格だけ」では、就職・転職には難しいです。

本記事でわかる事
  • 運行管理者資格は就職・転職に役立つ?
  • 運行管理者とは?
  • 運行管理者資格の活かし方
  • 運行管理者資格の収入と将来性
  • 運行管理者試験合格率
  • 運行管理者試験おすすめテキスト・過去問
  • 運行管理者試験概要

上記の内容について解説していきます。



運行管理者資格は就職・転職に役立つ?


運行管理者の資格を取得すれば就職や転職が有利になるのか?

そう考える人も少なからずいるようです。

けれど、やはり現場での経験が重視される世界です。

この資格だけですぐに就職・転職して、その会社で運行管理者に選任・・・というワケにはいきません。

運行管理者に選ばれたからといって、現場を知らない人が、運行規則にのっとり、ドライバーの休息場所を指定したり、走るルートを指定したりすることはとてもできません。

道をよく知っている経験のあるドライバーの方が、道路事情や所要時間など詳しいに決まってます。

何も知らない運行管理者が指示を出しても笑われてしまいます。

つまりドライバーと同等以上に知識と経験が必要です。

売り上げ重視、利益を出すためにはコスト削減!法令遵守は二の次、という会社はまだまだあります。

人手不足の中、トラックの手配をしながら運行管理者の業務をおこなうと、多少の違反と分かっていながら指示を出す場合も・・・。

細かい点まで法令通りの運行をしていては会社は存続できない!とい風潮も未だにあるため、資格を持っていても業務の知識がないと現実は厳しいようです。

まずは、ドライバーや運行管理者の補助者から入って経験を積む必要があります。

運行管理者とは?


運行管理者とは、大型トラックのドライバーの管理が主たる業務です。無理せず物や人を運ぶように指導・管理するのが主な仕事です。

例えば運行管理者は、ドライバーが長時間の連続運転にならないように労働時間を管理したり、荷物を届けるための安全なルートを提案します。

また、安全運転の意識を高めるために定期的な安全運転教育もおこないます。

日本では、度重なる交通事故を削減するため大型車両にはタコグラフ(運行記録計)の装備が義務付けられています。

このタコグラフとは運転記録を示す丸い厚紙状の紙で、運行時間やスピードの変化などがラフ化して印刷されます。

これを見れば、運転速度や休憩を取っているかなどの運行状況が一目瞭然です。

運行管理者は、この記録に基づいてスピードが出過ぎているとか、時々休憩しながら走るようにと指導します。

運転前にはドライバーを点呼することで、疲労や健康状態等を把握し、安全運行の指示をします。

無理な運行スケジュールを組んで運転手が事故を起こすと、運行管理者も共同責任で責任を問われます。

運行管理者とは、社会的にも責任の重い仕事であるといえます。

運行管理者資格を更に詳しく

運行管理者は、一定の数以上の事業用自動車を有している営業所ごとに、一定の人数以上の運行管理者を選任しなければならず、複数の営業所の運行管理者を兼務することはできません。

運行管理者は業務を行うための権限を与えられなければならず、パートやアルバイトでは不適切です。

運行管理者は、車両の数によって選任する人数が決まっています。

以前は29車両までであれば運行管理者は1人以上でよかったんですが、平成25年5月1日以降は5車両未満でも運行管理者1人を選任しなければなりません。

大型車両で運ぶ対象は大きく分けて2つです。

つまり物(貨物)人(旅客)です。

それに応じて運行管理者の資格試験には貨物と旅客の2種類があります。

受験者は、どちらかを選んで受験します。

○○すると無試験で運行管理者になれる!

運行管理者になるには、国土交通省が実施する国家試験に合格しなければなりませんが、運行の管理に関し5年以上の実務の経験を有し、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していのを要件として、無試験で運行管理者になれます。

この場合、事業者による運行管理に関する実務経験証明書が必要です。

この証明書があれば申請できます。

運行管理者資格の活かし方


運行管理者の資格を持っているだけで、運行管理者として就職・転職するのは、何も持っていない人よりは多少有利になる可能性はあります。

運行管理者以外にも大型二種、けん引、フォークリフト、ユニックなどの免許を持っていると有利です。

さらに、危険物取扱者(乙4)、さらには毒物劇物取扱責任者の資格があれば会社によっては非常に重宝されます。

関連資格:危険物取扱者とは

毒物劇物取扱責任者とは

貸切の運送事業の会社であれば国内旅行業務取扱管理者も役立ちます。

合わせて取得すればともに使える資格になります。

関連資格:国内旅行業務取扱管理者とは

就職・転職の際は、過去数年間(3年ほど)における自動車運転違反や事故歴の有無、それに酒癖なども重要になります。

運行管理者資格の収入と将来性


企業の規模により収入はかなり差がありますが、運行管理者の収入は多岐にわたる仕事内容の割にはそれほど高くないのが現状です。

平均的なサラリーマンの収入より低めといえます。

運送業界自体の景況感があまり良くないことも理由のようです。

しかし、管理職としての側面が強い内勤の仕事なので、実績を積んでいくと現場の仕事よりも役職に就きやすく、部長や役員になると手当が増えて給料が上がります。

物流業界では現在も慢性的な人手不足が続いており、つねに有資格者で実務経験がある人が求められているため、即戦力として採用されやすいかもです。

近年、長距離旅客バスの事故が増えているため、ドライバーの安全運行への指導・管理の重要性が指摘されています。

コンプライアンスの観点からも、ドライバーの運行管理について徹底している企業が多いため、運行管理者資格者のニーズは今後も安定していくと言えます。

運行管理者試験合格率


運行管理者資格試験には、「貨物」「旅客」と2種類あります。

ニーズという面では、受験者数が多いことを考えると貨物だと思います。

求人サイトやハローワークインターネットサービスを見ても貨物の方が求人が圧倒的に多いようです。

運行管理者の旅客と貨物、試験の内容も違いますし、当然難易度も違います。

根拠となる法令はそれぞれ違うので出題内容も違います。

貨物は貨物自動車運送事業法で、旅客は道路運送法です。

その他、例えば、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、その他の知識及び能力などは共通しています。

試験には共通項目もたくさんありますが、全くの別物と考えて勉強するのがおすすめです。

旅客は乗合バス・貸切バス・タクシーの3本立てですが、貨物はトラックのみです。

旅客の方が覚える内容が多い分、難しいという意見が多いようです。

運行管理者試験(貨物)の合格率

実施年受験者数合格者数合格率
2020年72,20526,46136.6%
2019年36,53011,58431.7%
2018年65,32816,60325.4%

運行管理者試験(旅客)の合格率

実施年受験者数合格者数合格率
2020年17,3246,63038.3%
2019年8,2632,62431.8%
2018年19,9635,72428.7%

※2019年新型コロナの影響で第2回の運行管理者試験は中止となりました。

運行管理者試験おすすめテキスト・過去問


運行管理者の合格率は、平成23年度まではほぼ50%前後でしたが、それ以降は30%台が続いていて20%台も珍しくありません。

明らかに試験は難しくなって合格率は下がっています。

その理由の1つとして、出題形式が変わって、ただの5択の解答ではすまず正確な知識が試されるようになったからです。

日々の学習は市販の過去問題集・参考書で十分です。

実際に出題される試験問題は、過去の出題を多少変えている程度です。

かなり昔に出題された問題も出ます。

1か月ほど過去問を繰り返し学習し、間違っていた箇所を参考書と基礎講習でもらう法令集・テキストで確認すれば合格に近づきます。

運行管理者試験 問題と解説 貨物編


運行管理者の受験生に絶大な支持を得ている参考書兼問題集です。

大手の通信講座の会社ユーキャンからも同様の問題集が出ていますが、圧倒的にこちらの方が優れています。

公論出版という会社が出していますが、ほぼ運行管理に特化している会社だけあって問題は常に新しい制度に対応しています。

本試験では最近の法律の改正点からも出題がありますから安心して勉強できます。

これ一冊で十分合格は狙えます。

運行管理者試験はとにかく過去問を繰り返し解いて出題のパターンを知ることが重要です。

このテキストには、過去8回分の質問が掲載されていて、しかも解説が丁寧で分かりやすいのが特徴です。

公論出版のホームページから実際の過去の試験問題もダウンロードできます。

運行管理者試験 問題と解説 旅客編


こちらは旅客試験用の参考書兼問題集です。

本試験では、過去問題と同じ、あるいは多少内容を変えた類似問題が出題される傾向があります。

過去問について分かりやすく解説しているので、限られた時間でも効率よく学習できます。

これ一冊で学習すれば合格できます。

運行管理者試験概要

ホームページ・受験申込・問合せ

公益財団法人 運行管理者試験センター

受験資格

貨物

  • 貨物又は旅客自動車運送事業の実務経験者で、試験日の前日において、自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く)の用に供する事業用自動車又は特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車(緑色のナンバーの車)の運行の管理に関し、1年以上の実務の経験を有する方。
  • 基礎講習(貨物)修了者(又は修了予定の方)で、貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づき国土交通大臣から認定された講習実施機関で基礎講習を受講された方。

旅客

  • 貨物又は旅客自動車運送事業の実務経験者で、試験日の前日において、自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く)の用に供する事業用自動車又は特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車(緑色のナンバーの車)の運行の管理に関し、1年以上の実務の経験を有する方。
  • 基礎講習(旅客)修了者(又は修了予定の方)で、旅客自動車運送事業運輸規則に基づき国土交通大臣から認定された講習実施機関で基礎講習を受講された方。

※①事業用自動車の運転業務、②営業、③総務・経理等の管理業務等は、事業用自動車の運行の管理についての実務経験に該当しません。

受験料

6,000円(非課税)
この他、次の、①、②のうちいずれか1つ及び、③の費用が別途必要となります。

  • ① 新規受験申請:660円(税込)(システム利用料)
  • ② 再受験申請:860円(税込)(システム利用料、事務手数料)
  • ③ 試験結果レポート手数料:140円(税込)

願書受付期間

6月上旬~7月中旬頃
11月下旬~12月中旬

試験日程

年2回:3月と8月

受験地

貨物・旅客

全国にあるCBT試験会場

試験内容

貨物

  • ① 貨物自動車運送事業法関係(8問)
  • ② 道路運送車両法関係(4問)
  • ③ 道路交通法関係(5問)
  • ④ 労働基準法関係(6問)
  • ⑤ その他運行管理者の業務上必要な知識・能力(7問)

旅客

  • ① 道路運送法関係(8問)
  • ② 道路運送車両法関係(4問)
  • ③ 道路交通法関係(5問)
  • ④ 労働基準法関係(6問)
  • ⑤ その他運行管理者の業務上必要な知識・能力(7問)

免除(科目等)について

取得しようとする運行管理者資格者証の種類(一般乗合旅客、一般貸切旅客、一般乗用旅客、特定旅客、貨物)の実務経験が5年以上で、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していることで、無試験で資格を得ることができます。

ただし、運行の管理に関する講習として、5回以上の講習のうち、少なくとも1回は基礎講習を受講している必要があります。

合格基準

① 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上であること。

② 下記の出題分野ごとに正解が1問以上であり、「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」については正解が2問以上であること。

  • 貨物自動車は貨物自動車運送事業法、旅客自動車は道路運送法:8題
  • 道路運送車両法:4題
  • 道路交通法:5題
  • 労働基準法:6題
  • その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力:7題