「賃貸不動産経営管理士って国家資格になるの?」「賃貸不動産経営管理士ってどうやって取得するの?」
「賃貸不動産経営管理士試験って難しい?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
- 賃貸不動産経営管理士ってどんな資格?
- 近年は難化傾向にある試験
- 宅建資格と非常に相性が良い
- 賃貸不動産経営管理士のメリット
賃貸不動産経営管理士ってどんな資格?
賃貸不動産経営管理士資格は、「賃貸住宅管理業者登録制度」の中で、2016年度(平成28年度)に国土交通省の告示により公式に位置づけられたことで「公的資格」として認められるようになりました。
これにより、賃貸不動産経営管理士の資格は急速に人気が高まり、さらに、国家資格化に向けて動き始めたこともあり、ここ数年、右肩上りで受験者数が増加してきています。
そして、2021年度からは、ついに賃貸不動産経営管理士は国家資格になりました。
賃貸不動産経営管理士とは?
賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家です。
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、法律)(令和2年法律第60号)において、賃貸住宅管理業務を行ううえで設置が義務付けられている「業務管理者」の要件とされた法体系に基づく国家資格であり、適正な業務を行ううえで、幅広い専門知識と経験を兼ね備えています。
賃貸不動産経営管理士資格取得の流れ
賃貸不動産経営管理士資格は、受験資格がありませんので、学歴や実務経験に関係なく誰でも受験がすることができます。
そのため、受験のハードルはとても低く不動産業界で働いている人や不動産業界への就職・転職を目指している人が多く受験しています。
賃貸不動産経営管理士資格概要 | |
ホームページ・受験申込・問合せ | 一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会 |
受験資格 | 制限なし |
願書申込み受付期間 |
8月中旬~9月下旬頃(年1回)
申込期間は各会場ごとに異なります。 |
免除(科目等)について |
賃貸不動産経営管理士講習(2日間の全講義)修了者が、賃貸不動産経営管理士を受験する場合、 2019年試験:出題40問中、4問が免除されます。 |
受験料(税込み) |
|
試験内容・講習内容 |
① 賃貸管理の意義・役割をめぐる社会状況に関する事項
① 賃貸管理総論(40分)
① 建物管理の実務(60分) |
試験日程・講習日程 |
|
受験地・講習場所 |
|
合格基準・修了要件 |
|
合格後の更新について | 資格としての有効期限はありませんが、資格者として名乗るためには、登録を受ける必要があります。(有効期限は5年間/登録料:6,600円) ※登録要件 宅地建物取引士(注1)、又は協議会が認める賃貸不動産関連業務(注2)に2年以上従事している又は従事していた者。 ※協議会構成団体
|
賃貸不動産経営管理士試験の難易度
賃貸不動産経営管理士試験の合格率は、2018年度までは、おおむね50%前後と比較的易しい試験でした。
グラフを見てわかるように、国家資格化を見据えた2019年には、受験者数23,605人のうち、
合格者数は8,698人で、合格率は36.8%にまで急激に下がりました。
さらに、国家資格となる前年の2020年度試験においては、29.8%にまで下がっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
---|---|---|---|---|
令和2年度 | 27,338人 | 8,146人 | 29.8% | 34点 |
令和元年度 | 23,605人 | 8,698人 | 36.8% | 29点 |
平成30年度 | 18,488人 | 9,379人 | 50.7% | 29点 |
平成29年度 | 16,624人 | 8.033人 | 48.3% | 27点 |
平成28年度 | 13,149人 | 7.350人 | 55.9% | 28点 |
平成27年度 | 4,908人 | 2.679人 | 54.6% | 25点 |
平成26年度 | 4.188人 | 3,219人 | 76.9% | 21点 |
平成25年度 | 3,946人 | 3.386人 | 85.8% | 28点 |
表から読み取れるように、賃貸不動産経営管理士資格は、右肩上がりに人気が出てきますが、
試験合格率は、右肩下がりとなっています。
試験は、受験資格無いうえに、記述式問題ではなく、50問すべてがマークシート方式ですので、誰でも受けやすく、受験対策もしやすいと思います。
しかし、実際のところ合格率30~40%ということは、10人受験すると、6~7人は落ちる試験だということになります。
つまり、半分以上の人は落ちるわけです。
ということで、不動産関連資格の中では難易度は低い(合格率は高い)とはいえ、十分な受験対策が必要と言えます。
宅建資格と非常に相性が良い!?
実務経験なしで賃貸不動産経営管理士に登録する際には、宅建試験に合格して宅建士証の交付を受ける必要があります。
つまり、実務経験がない人にとっては宅建とのダブルライセンスをクリアすることが登録のために必須となります。
宅建士の方が難易度が高く賃貸不動産経営管理士の試験内容とも重複があるため、先に宅建を取得することがおすすめです。
先に難易度が高い宅建を取得しておくことでスムーズに賃貸不動産経営管理士の勉強ができるようになり、また勉強の全体像もつかみやすくなります。
また、宅建の資格を持っていることで資格手当の対象になりやすい上に将来的に不動産業界でより幅広く活躍できる可能性が広がること間違いないです。
宅建試験について別記事で解説しています。ぜひご覧ください。
[keni-linkcard url="https://sikakudo.com/takuchi-tatemono-torihiki-shi-to-wa/"]
賃貸不動産経営管理士のメリット
賃貸不動産経営管理士の資格を取得していると、様々なメリットがあるだけでなくビジネスチャンスも広がります。
資格取得のメリットを解説していきます。
不動産業界で大活躍
賃貸不動産経営管理士は、やはり不動産業界で役立てることができます。
賃貸不動産に関する業務の幅が広がり、顧客から信頼を得やすくなったり企業内で
キャリアアップできる可能性を高めることができます。
また、賃貸管理のプロとして多くの家主さんと信頼関係を築きやすくなり、
他の不動産業者との差別化も図れるようになるでしょう。
自分が家主だったら、無資格者よりも有資格者に仕事を頼みたいと考えますよね。
事務や金融でも役立てられる
賃貸不動産経営管理士は、不動産業務の中でも総務や金融等の分野で活躍できます。
近年は年金不安のニュースなどの影響もあり、不動産投資や大家業の関心が高まっています。
そこで、賃貸不動産経営管理士の資格を生かして不動産担保の融資や資産運用など、
金銭的な業務において役立てることができるのです。
当然、仕事以外の自分の実生活でも役立てることができるのもメリットの1つです。
就職・転職で有利な資格
賃貸不動産経営管理士の資格を所有していることで、不動産業界への就職・転職で役立てることができます。
この資格を持っていることで不動産の賃貸経営に関して専門的な知識を持っている証明となるため、選考の場において好印象を持たれやすいです。
また、この資格は宅建やマンション管理士ほど知名度は高くなく成長途中であるため、現在は保有者がそこまで多くありません。
そのため、この資格を取得しておくことで周りに差をつけることができ、自身の評価を上げることにつながるのです。
また、前述したように宅建資格と非常に相性が良いため、ダブルライセンスを実現できればより自分の価値を高めることができます。
まとめ
- 人気は右肩上がり・合格率は右肩下がりの資格
- 近年は難化傾向にあるため、早めに取得するのがおすすめ
- 実務経験積めない人は、宅建資格をまず取得しよう
賃貸不動産経営管理士は不動産系資格の中では難易度は低く取得しやすい資格なので、
不動産業界に興味がある人はぜひ取得を検討してみてください。
しかし、実務経験が積めない人は、まずは宅建士の資格取得をおすすめします。
賃貸不動産経営管理士試験は難化傾向にあり、今後の需要も増えていくと考えられる資格なので、
早めに取得しておくことをおすすめします。