床上操作式クレーン限定ってどんな資格?床上運転式とどう違う?
クレーンの免許にはどんな種類があるの?
クレーンを操作する資格を得るためには、免許を取得するか技能講習あるいは特別教育を受けなくてはなりません。
このうち国家資格は、クレーン・デリック運転士免許と移動式クレーン運転士免許の2種類があります。
移動式クレーン運転士免許は移動式クレーンを操作するときに必要です。
一方、クレーン・デリック運転士免許には、3つの種類があります。
それが、クレーン・デリック運転士免許(限定なし)とクレーン・デリック運転士免許 (クレーン限定)、およびクレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)です。
そもそも、クレーン・デリック運転士免許の対象となるクレーンには3種類あり、つり上げ荷重が5トン以上のクレーンと5トン未満のクレーン、およびデリックが含まれます。
さらに、5トン以上のクレーンには、無線操作式と床上操作式、および床上運転式の3種類があります。
床上操作式と床上運転式はどちらも床上で操作をする点は変わりません。
操作者が荷物とともに移動する方式が床上操作式であり、クレーンとともに移動するのが床上運転式となります。
クレーン・デリック運転士免許のうち、「床上運転式クレーン限定」の資格では床上運転式と床上操作式、および5トン未満のクレーンのみが操作可能です。
また、「クレーン限定」の場合は、デリック以外の対象クレーンを操作できます。
「限定なし」になるとデリックも含めたすべての対象クレーンを操作できるのです。
床上操作式クレーン運転技能者とは?
クレーン・デリック運転士免許(床上操作式クレーン限定)とは、床上で運転し、かつ、荷の移動と共に操作者が移動する方式のクレーン。
つり上げ加重5トン以上のものが運転できることを認定する国家資格です。
床上操作式クレーン限定資格概要
受験資格
不要。ただし、本人確認証明書の添付が必要です。
床上操作式クレーン限定試験内容
●学科(40問:2時間30分/)
- ① クレーンに関する知識(10問)
- 種類及び型式
- 主要構造部分
- つり上げ、走行、トロリの横行等の作動をする装置
- 安全装置
- ブレーキ機能
- 取扱方法
- ③ 原動機及び電気に関する知識(10問)
- 電動機
- 電流、電圧及び抵抗
- 電力及び電力量
- 配線、集電装置、配電盤、開閉器、コントローラー等電気を通ずる機械器具
- 電路の点検及び補修
- 感電による危険性
- ④ クレーンの運転のために必要な力学に関する知識(10問)
- 力(合成、分解、つり合い及びモーメント)
- 重心
- 重量
- 速度及び加速度
- 荷重
- 応力
- 材料の強さ
- ワイヤロープ、フック及びつり具の強さ
- ワイヤロープの掛け方と荷重との関係
- ② 関係法令(10問)
- 労働安全衛生法
- 労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号。次条において「令」という。)、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)及びクレーン等安全規則中の関係条項
小型移動式クレーン運転士とは、荷を動力を用いてつり上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置で、原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるもので、つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンを運転するための技能を認定する国家資格です。主な機械は、積載型トラッククレーン、クローラクレーンなどです。
●実技
- ① クレーンの運転
- 基本操作
- 重量の確認
- 荷のつり上げ
- 定められた経路による運搬
- 定位置への荷の卸し
- ② クレーンの運転のための合図
- 荷のつり上げ、荷の卸し、荷の水平移動等の合図
合格基準
●学科
以下の全ての条件を満たすことで合格となります。
- 総得点が、満点中60%以上の得点率
- 各科目が、満点中40%以上の得点率
●実技
- 減点の合計が40点以下で合格となります。
クレーン・デリック運転士(限定無し)とは、つり上げ荷重が5トン以上の天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーン、ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポールなどの各種クレーン及びデリックを運転するために必要な技能を認定する国家資格です。要は、つり上げ荷重5トン以上を含め全てのクレーンとデリックを運転・操作することができるってことです。
免除(科目等)について
- 床上運転式クレーンを用いて行うクレーン運転実技教習を修了した者で、その修了した日から起算して1年以内の者は、実技全てが免除。
- 鉱山においてつり上げ荷重が5トン以上の床上運転式クレーンの運転の業務に1か月以上従事した経験を有する者は、実技全てが免除。
- クレーン・デリック運転士(限定なし)の学科試験に合格した者で、その学科試験が行われた日から起算して1年以内の者は、学科全てが免除。
- クレーン・デリック運転士(クレーン限定、床上運転式クレーン限定)の学科試験に合格した者で、その学科試験が行われた日から起算して1年以内の者は、学科全てが免除。
- 移動式クレーン又は揚貨装置運転士免許を有する者は、学科(④クレーンの運転のために必要な力学に関する知識)と実技(②クレーンの運転のための合図)が免除。
- 旧デリック運転士免許を有する者は、学科(④クレーンの運転のために必要な力学に関する知識)と実技(②クレーンの運転のための合図)が免除。
- 床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者は、実技(②クレーンの運転のための合図)が免除。
- 小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者は、実技(②クレーンの運転のための合図)が免除。
- 玉掛け技能講習を修了した者は、実技(②クレーンの運転のための合図)が免除。
身体上の障害等に係る特別措置について
障害のある方で特別措置を希望される場合は、申請前に安全衛生技術センターに相談して下さい。
受験申込・問合せ
- 公益財団法人 安全衛生技術試験本部 03-5275-1088
- 北海道安全衛生技術センター 0123-34-1171
- 東北安全衛生技術センター 0223-23-3181
- 関東安全衛生技術センター 0436-75-1141
- 中部安全衛生技術センター 0562-33-1161
- 近畿安全衛生技術センター 079-438-8481
- 中国四国安全衛生技術センター084-954-4661
- 九州安全衛生技術センター0942-43-3381
ホームページ
願書申込み受付期間
実施団体まで、お問い合わせ下さい。
揚貨装置運転士とは、労働安全衛生法に定められた国家資格の一つで、制限荷重が5トン以上の揚貨装置(港湾荷役の作業をするために船舶に取り付けられたクレーンまたはデリック)の操作するために必要な資格です。また、一定の規模以下の揚貨装置については、特別教育を受けることで運転・操作することが可能となっています。
試験日程
4月上旬頃、10月中旬頃
受験地
管轄住所のセンターで受験。
受験料
●学科・・・・6,800円
●学科・・・・11,100円
合格発表日
実施先までお問い合わせ下さい。
床上運転式と床上操作式の違いとは?
床上運転式とは
横行操作した際に荷とともに移動せずに運転することが可能です。
(操作スイッチのケーブルがガーダの一端に固定されてつり下げられた定位置方式、またはガーダと平行に張られたメッセンジャワイヤなどからつり下げられたメッセンジャー方式のクレーンによる)。
クレーン等安全規則において、「運転する者が走行とともに移動する方式のクレーン」と規定されています。
床上操作式とは
名前の通り、床上で運転できる形式のクレーンで、走行や横行の操作の際、運転者は荷の移動とともに移動します。
クレーン等安全規則において、「運転する者が荷の移動とともに移動する方式のクレーン」と規定されています。
まとめ
クレーンの運転資格と言っても、さまざまな種類があります。
免許、技能講習、特別教育のそれぞれの特性を事前に確認しておきましょう。
国家資格免許に関しても大きく分けて、クレーン・デリック運転士と移動式クレーン運転士の2つあるということも忘れずに。
また、クレーン関係の資格と切っても切れないのが「玉掛け技能」の資格!!
クレーン関係の資格を取得する際は、玉掛けの資格も忘れずに!!
小型移動式クレーン運転士とは、荷を動力を用いてつり上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置で、原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるもので、つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンを運転するための技能を認定する国家資格です。主な機械は、積載型トラッククレーン、クローラクレーンなどです。